Columnココロのコラム
やまあらしのジレンマ
2021.06.09
「やまあらしはトゲトゲのある動物。寒い夜、2頭のやまあらしがくっ付き合って寒さをしのごうとするが、互いのトゲが邪魔になって温まる良い距離が保てない。その為お互いがくっ付き合ったり離れたりを繰り返して、良い距離をやっとみつける。」
(メディカ出版:ナーシンググラフィカ㉝)
やまあらしのジレンマとは、ドイツの哲学者の寓話に由来するものらしいです。
やまあらしが近づき過ぎると互いにトゲで傷つけ合ってしまうように、人も精神的に近づき過ぎると互いに傷つけ合ってしまうことがある。またはその過程で紆余曲折があったり、妥協点を見つけ歩み寄ったりして、関係を構築していきます。
職場の中で、コミュニケーションが上手くいかないと思うこと、ありますよね。
特に対人関係の構築が苦手な方は、他者とのやり取りに失敗経験が多く、その為自分に自信を無くしたり、仕事のモチベーションが下がってしまったり…。
上手くいかない要因は様々だと思いますが、他者との距離感が分からない、空気が読めない、また自分の対人関係の構築に一定のくせやパターンがあるなど、様々な要因で苦戦することがあると思います。
またそのような対人の苦手さを抱えている方と共に仕事をするとき、「さて?どうしよう。」と思われている方もいらっしゃると思います。
家族とも友人とも違う、職場の人間関係。他人だけれど業務があるので、一定の関係性は構築しなければなりません。
「相手の針の長さを知り、最適な距離を見つけること」 頭の隅に置いておきたい言葉です。相手のことを理解したり気遣ったりする気持ちを表すよい言葉だと思います。またこの事は回り、回って自分を知ることにも繋がるのではないでしょうか。