Columnココロのコラム

「茨の道」と相談すること

2021.06.28

とは、薔薇などトゲのある植物の総称である」

茨の道というと苦難の多い道という意味に感じてしまいますが、

江戸期の俳人、与謝蕪村は茨を悪いようには感じず次の俳句を詠んでいます。

『花いばら故郷の路に似たるかな』

細い野路をたどって行くと、咲き乱れる野茨の芳香にいつしか包まれる。見覚えのあるこの路、そういえば幼い頃、これとそっくり同じ小路に遊んだことがあるような気がする。

仕事やプライベートが上手くいかないとき、私はこの俳句を思い出します。

茨の道を再び、香り多い道に変えたいなと。

しかし一人では茨の道から抜け出そうと努力してももっと深く自分が傷つき、身動きが取れなくなってしまう場面があります。

そんな時は一人で考えず、周りの人と考えることで自分では思いもよらない気づきを得たり、解決策が出ることがあります。

周りの人の力も借りながら、歩みを止めないことが何よりも大切だと思います。

蕪村には次の句もあります。

『愁ひつつ岡に上れば花茨』

愁いを胸に秘めながら岡を登って行くと、そこに野茨の可憐な白い花が咲いている。そのひっそりした香りがやさしく私を包み込んでくれる。

周りの力も借りながら坂道を歩き続けてもらいたいと思います。

きっと美しい花に出会えるので。

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